こう思っている方に大企業の研修の傾向について解説します。
対象の読者
- 入社する会社を検討している方
- 研修を受けたことがなくて、気になっている方
記事の信憑性
- 某大企業でソフトウェアエンジニアしてしたので、100以上の研修を受けました。
- 新人研修、OJT、外部の研修を受けた経験があります。
大企業の技術研修ってどんな感じなの?
大企業の研修って凄そうに感じますよね。
特に新卒の機会って一生に一度なので、新人教育を受ける機会がなかった人はどんな感じなのかわからないと思います。
一方で、これから就職する人にとっては就職先の会社で研修の内容が違うので、より良い研修を受けたいと思うはずです。
大企業の研修の一例です。
- 新人教育
- 中途研修
- OJT
- 営業・フロント実習
- 語学研修
- 幹部(候補)研修
- 技術研修
大企業に新卒で入社すると、新人教育、OJT、営業・フロント実習、語学研修辺りが初年度にあるケースが多いのではないでしょうか。
その後、様々な技術研修や幹部(候補)研修を受ける機会がある感じです。
大企業の研修に対する率直な感想
まず、私の感想としては以下。
- 若手の研修は座学が多く役に立たない
- 実務ベースの研修でないと役に立たない
- OJTは上司ガチャ
- 外部講師の研修は質が良い傾向がある
- 職場の人が講師の場合は、良い悪いがはっきり分かれる
- 個人レベルで研修を受けても意味がないものも多い
- 明らかにポンコツな講師がいる
職場の人も同じような感想を持っていたので、当てはまる人はそれなりにいるのではと思います。
若手の研修は座学が多く役に立たない(実務ベースではないため)
先にネタバレすると学校じゃないので、「仕事に役に立たない勉強は時間の無駄」です。
技術系の職種は専攻とマッチしていることが多いので、技術系の基礎研修はおさらいみたいな感じになることがあります。
研修受けてお金貰えるのでいいじゃん!ってなるのですが、研修期間が長いと実務経験が積めないという問題が発生します。
基本大企業だと思いますが、メイン職の実務が無い状態が異常に長いところがあります。
企業にもよりますが、研修という扱いで2年近くあったりします。
終身雇用が前提で、早期転職とかあまり考慮されていないカリキュラムなんですよね。
仮に1年間研修で終わると、1年間、実務経験を積めていないので、同じ年代の人と実務経験に1年差が開いてしまいます。
例えば、メイン職がSEだとして、1年間営業実習に行ったとします。
そうすると、SEの経験はゼロなのでSEのスキルで転職するのが難しくなります(第2新卒扱いでしょうか)
どうでしょうか?1年近くの実務経験を放棄して、研修受けるメリットはあるでしょうか?
自分の特性、能力、将来どうするのか考えて、就職する会社を選んだほうが良いです。
手厚い研修=良いという発想は危ないです。
実務ベースの研修でないと役に立たない
良く話に上がる内容なのですが、実務で使うような研修でないと全く役に立たないです。
学術的な分野だと話は別なのですが、ビジネス前提だと知識だけ増えても意味がないということです。
これも、「仕事に役に立たない勉強は時間の無駄」という範疇でしょう。
私が長年いた会社でも、座学中心の研修から実務を前提とした研修に変化していきました。
座学ってどうしても受け身になるので、研修効果が低いのだと思います。
色んなパターンがあるので、一例をあげると
- ハード系なのにプログラミングの研修を受講する
- 使うことが無いプログラミング言語の研修を受講する
- 座学
- 職場の課題を持ち寄って検討してそのまま終わる研修
などです。
幅を広げるために研修を受けるという考えもありますが、幅を広げるなら自分で勉強すれば良いと思います。
研修を受ける機会は限られているので、なるべく役に立つ研修をメインに受講するのが大切だと思います。
OJTは上司ガチャ
言わずもがなです。
大企業は、中小企業に比べると余裕があるケースが多いと思います。
余裕を持って本読んで勉強したり、勉強用のプログラムを書いたりできると思います。
ただ、上司次第なのでいきなり、誰でもできるようなキャリアを積めない業務をやらされる場合もあります。
ここは運だとは思います。
ただ、職場選択する機会はあるので、うまく上司ガチャを引いていく努力はできるかなと思います。
OJTに関しては、技術以外にも仕事の進め方とかにも影響はあるので、自分の上司がポンコツだと思ったら異動、転職を考えた方が良いでしょう。
外部講師の研修は質が良い傾向がある
当然ですが、研修でお金もらっているので質が良いです。
研修会社によっては、アンケートで良い評価つかないと首ということもあるので、クオリティが違います。
飛び抜けて良い研修もあり、人生変わるくらい能力upするような研修もあります。
ただ、新人では高度な研修がカリキュラムに入っていないので、あまり当たりは引かないかなと思います。
職場の人が講師の場合は、良い悪いがはっきり分かれる
分かりやすいのは「勉強会」です。
企業にもよると思いますが、職場の人が講師である研修という形もあったりします。
新人教育とかも職場の人が講師であることが多いのではないでしょうか。
役に立つ事もあれば、時間の無駄という両極端な印象です。
- 実務で活躍している人のノウハウが入った講義は役に立つ
- 自分の仕事に当てはまっていない内容は、完全に時間の無駄
- 実務していない人が主催の勉強会は完全に時間の無駄
どういうことかと言うと、本やWebに書いてある内容は自分で読めば十分であるということです。
特に、実務していない人が講師の場合はたちが悪いです(技術を勉強したいから勉強して、勉強会開くとか)。
当然ながら中身は薄いので、役に立たないのですよね。
知識を広げれば糧になるみたいな勢いなのですが、一生使わないような知識を数時間かけて講義するわけです。
また、強制だったりするので、皆が共通して、「一体何の時間だったのか」と言うわけです。
以下のどちらの研修を受けたいでしょうか?
- みんなでWebプログラミングの勉強していきましょう!
- この3日の研修で、Webプログラミングをマスタさせます!
どう考えても、下側ですよね。
上側は「勉強すること」しか言っていないのに対して、下側は「3日でWebプログラミングをマスタできる」わけですから。
上側は勉強会、下側はプロの講師の研修です。
職場の人が講師の場合は、受講することで自分がどうなるのか意識すると、参加すべきかどうかが見えてくると思います。
個人レベルで研修を受けても意味がないものも多い
割りと遭遇するタイプの研修です。
研修を受けて良い研修だなと思っても、職場では役に立たない系の研修があったりします。
職場単位で取り組まないと効果が無い内容の場合、その傾向が強いです。
大抵、「職場に帰ったら、みんなで取り組みたいと思います」という感想が出るのですが、まずそんなことは起こらないです。
例えば、「効率の良いソフトウェアのレビューの手法」の研修を受けたとします。
ソフトウェアのレビューは複数人で行うので、研修を受けていない人が混ざります。
研修を受けていない人は、従来どおりの手法でレビューを行うので効率が上がりません。
じゃあ、研修を受けてきた人が改善を提案したら良いのでは?
こうならないのが、難しいところです…
10人中1人理解しているだけだと、少数派なのでみんな動かないのですよね。
末端に教育する前に、上から教育しろよって思うことが多々あります。
チーム全体で同じ教育をしたり、共有する機会があることが大切だなと思います。
明らかにポンコツな講師がいる
何度か遭遇していますが、使えない講師がたまにいます。
外部講師なら評価が悪ければ首になるので、社内ということになります。
例えば、
- 前から詰めて座ることを強要して、詰めて座らなかった場合は説教が始まる
- 幹部に教育していることをやたらに主張する
- 質問してもうやむやにしたり、細かいことを指摘することに対して批判する
- etc
みたいな感じです。
研修で重要なのは、研修を受けて研修内容を身につけることができることです。
上記のような講師は何かを履き違えている講師なので、研修受けている時間が完全に無駄です。
講師が誰なのかは重要な要素なので、選択できる場合は必ずチェックしておきましょう。
研修を受ける機会がなかったけどどうすれば良い?
正直なところ、「仕事できていれば問題ない」です。
研修制度が足を引っ張る可能性はあるので、研修受けなくて上手く行っていれば気にする必要は無いでしょう。
優れた研修があるのは事実ですが、お金払えば研修受けられることが大半なので受けたい時にお金払えば良いと思います。
周りの人に良い研修はないか、聞いてみるのも良いと思います。
意外とあの研修が良かった、悪かったとか話題になることがあるので、かなり参考になると思います。
まとめ
大企業の研修の実態について解説しました。
色々問題があると説明はしましたが、カリキュラムがしっかりしているので、着実にスキルアップしたい方にはオススメかなと思います。
一方、バリバリ仕事してお金稼ぎたいとか、転職前提で働きたい方は時間を無駄にしてしまうかもしれません。